ピロリ菌とは
胃炎・胃がんの要因となるピロリ菌
ピロリ菌(正式名称:ヘリコバクター・ピロリ)は、他の細菌とは違い、胃の中で生き続けることができるという特徴があります。
口から感染することがほとんどで、特に昔は井戸水が原因になっていました。現在は井戸水を飲むことはほとんどないため、一度、除菌すれば再感染率は低いと考えられています。とは言え、50歳の感染率は40%から50%程度で、まだまだ感染している方はたくさんいらっしゃいます。また、親がピロリ菌に感染している場合は、子供も感染している可能性が高いでしょう。(遺伝ではなく同じ環境の中で生活していることが原因)
放置することでヘリコバクター・ピロリ胃炎を発症し、さらに萎縮性胃炎となり、最終的には胃がんの原因となることがあります。また、血小板減少性紫斑病などの病気を引き起こすこともあります。そのため、ピロリ菌に感染している場合は、できるだけ早期に除菌しておくことが重要です。
こんな症状があったら検査をおすすめします
チェック項目
- 家族に胃がんを患った方がいる。
- 胃痛を感じることがある。
- 胃に不快感がある。
以上に該当する方は、一度、検査を受けることをおすすめします。
また、
- これまでに胃潰瘍や十二指腸潰瘍を患ったことがある。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を繰り返している。
- 過去に消化性潰瘍と診断されたことがある。
上記に該当する方は、健康保険で検査を受けることが可能となります。
また、「家族が胃がん家系なので心配」「普段から胃の調子が良くない…」という方もお気軽にご相談ください。
ピロリ菌の検査方法
患者さまのご要望に合わせてご選択いただけます
ピロリ菌に感染しているかどうかは、様々な検査方法で調べることができます。
内視鏡検査を行わない方法
- 吐く息を検査(尿素呼気試験)
- 血液を検査(抗体測定法)
- 尿を検査(抗体測定法)
- 便を検査(便中抗原測定法)
様々な検査方法で調べることができます。
内視鏡検査を行う方法
胃粘膜の一部の組織を取って行う、
- 迅速ウレアーゼ法
- 組織検鏡法
- 培養法
などがあります。
保険診療でピロリ菌除菌を行う場合
保険診療でピロリ菌除菌を行う場合は、内視鏡検査によって
- ピロリ胃炎があること
- 胃がんの可能性があること
- その他、緊急度の高い病状がないこと
を、確認する必要があります。
平成25年2月から、萎縮性胃炎に対するピロリ菌の除菌が適応になりました。
ただし、内視鏡検査でピロリ胃炎が確認された場合、感染が確認されて初めて保険診療で除菌が可能となります。
日本ヘリコバクター学会認定医による検査・治療
LCクリニック仙台では、日本ヘリコバクター学会認定医によるピロリ菌の検査や治療を行っています。
ピロリ菌は放っておくと、様々な病気の原因となりますので、早期検査が大切です。
まずはすぐ検査し、もし感染しているようであれば、すぐに除菌するようにしましょう。
ピロリ菌治療(ピロリ菌除菌)のながれ
ピロリ菌が発見された場合は、以下の段階を追って治療を進めていきます。
一次除菌(保険診療)
2種類の抗生剤と胃酸を抑える薬を、1日2回、7日間飲み続けます。およそ90%の方は、ここで除菌に成功します。
二次除菌(保険診療)
一次除菌後も引き続きピロリ菌感染が持続している場合は、2種類の抗生剤のうち1種類を抗菌薬に変更し、再度1日2回、7日間飲み続けます。
一次除菌に失敗した患者さまの90%が、ここで除菌に成功しています。
三次除菌(★保険外診療)
二次除菌を失敗した患者さまは、全体の1~3%となります。
二次除菌にも失敗した場合は自費で三次除菌を受けていただくことが可能です。
三次除菌で成功した方はたくさんいらっしゃいますので、最後まで諦めずに治療していきましょう。
当クリニックでは、日本ヘリコバクター学会で検討中の三次除菌法の中で、除菌率の高い方法を採用しています。
これまで8割以上の方が除菌に成功しておりますので、お気軽にご相談ください。